焼酎の基礎知識 焼酎に関する知識を深める

焼酎の基礎知識

SHOCHU BASICS

中国語では「焼」は熱を加えるという意味で蒸留酒を「焼酒(シャオジュウ)」と表現しています。焼酎の「焼」という文字は、もろみを加熱、沸騰させてつくるという蒸留酒の基本的な作業を指しています。

また「酎」は濃い酒という意味。日本では、長い間「焼酒」と「焼酎」が混用されていたようですが、18世紀ごろから「焼酎」という表現が定着したとされています。

漢字を用いる中国や日本に限らず、西欧でも蒸留酒を指す言葉に「焼く」という意味の言葉を使うことがよく見られます。例えば、ワインの蒸留酒であるブランデーは、焼いた、燃やしたワインという意味の「Burn Wine」が訛ってブランデーと呼ばれるようになったとされています。

焼酎を入れる陶器の徳利と器

焼酎の歴史

HISTORY

焼酎は、すでに13~14世紀頃には中国大陸や南海諸国で製造されていたようですが、日本への焼酎の伝来については、次の三つの経路が有力であるといわれています。

焼酎が琉球、南海諸国、朝鮮半島の三つの経路から日本へ伝来したことを示す地図
  1. 01琉球経路

    14世紀頃の琉球(現在の沖縄県)は日本をはじめ、中国や朝鮮、南海諸国等との海上貿易の拠点となっていました。その為様々な東洋の蒸留酒(焼酎)が琉球経路で日本にも入ってきたといわれています。特に、シャム王国(タイの旧名)または中国の福建省などから伝わった蒸留酒の製法が、琉球を経て奄美諸島や薩摩(鹿児島)に伝わったとされています。

  2. 02南海諸国経路

    14~15世紀頃、「倭寇(わこう)」と名乗り、朝鮮半島や中国大陸沿岸、さらには南洋にいたる広範囲な海上に進出していた海賊が、海上取引品の産物として南蛮酒(焼酎を含む外来酒)を日本に運んだと考えられています。

  3. 03朝鮮半島経路

    15世紀頃の日本は琉球、南海諸国や朝鮮、また遠く西洋諸国とも活発に交易を行っており、交易品の中には様々な国の酒類も含まれていました。中でも、朝鮮の高麗酒などは壱岐や対馬を経て日本に入ってきたと考えられています。

焼酎の原料

INGREDIENT

焼酎は蒸留機の種類によって「連続式蒸留焼酎(甲類)」と「単式蒸留焼酎(乙類)」に分けられます。乙類焼酎は「本格焼酎」とも言われ、次のアルコール含有物を単式蒸留機により蒸留したもの(水以外の物品を加えたものを除く)となっています。

焼酎の原料となる芋、米、麦と焼酎 ※イメージ
  1. 1

    穀類又はいも類、これらのこうじ及び水を原料として発酵させたもの

    → 米焼酎、麦焼酎、芋焼酎、そば焼酎
  2. 2

    穀類のこうじ及び水を原料として発酵させたもの

    → 全こうじ焼酎
  3. 3

    清酒かす及び水を原料として発酵させたもの、清酒かす、米、米こうじ及び水を原料として発酵させたもの、又は清酒かす

    → かすとり焼酎
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    砂糖(酒税法施行令第四条二項に規定するものに限る。)、米こうじ及び水を原料として発酵させたもの

    → 黒糖焼酎
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    穀類又はいも類、これらのこうじ、水及び下記に掲げる物品を原料として発酵させたもの(その原料中穀類及びいも類(これらのこうじを含む。)の重量の合計が水以外の原料の重量の十分の五を越えるものに限る)

    → あしたば・ごま・しそ・トマト・抹茶・よもぎ・落花生・
     緑茶 ほか

<主な原料>

あしたば、あずき、あまちゃづる、アロエ、ウーロン茶、梅の種、えのきたけ、おたねにんじん、かぼちゃ、牛乳、ぎんなん、くず粉、くまざさ、くり、グリーンピース、こならの実、ごま、こんぶ、サフラン、サボテン、しいたけ、しそ、大根、脱脂粉乳、たまねぎ、つのまた、つるつる、とちのきの実、トマト、なつめやしの実、にんじん、ねぎ、のり、ピーマン、ひしの実、ひまわりの種、ふきのとう、べにばな、ホエイパウダー、ほていあおい、またたび、抹茶、まてばしいの実、ゆりね、よもぎ、落花生、緑茶、れんこん、わかめ

焼酎ができるまで

PROCESS

乙類焼酎とは、酒税法による分類で米・麦の一次もろみに原料となる穀物を加え、
二次もろみを発酵させたものを連続式蒸留機以外で製造したもの。二次もろみに使用する穀物の名称が焼酎名となります。

例:芋を蒸煮したものを二次もろみに使うと「芋焼酎」になります。
二次もろみの段階で原料を加えるため、素材独特の風味が残され独特な味わいを持ちます。

焼酎作りの工程。1 麹造り、2 一次仕込み、3 二次仕込み、4 蒸留、5 貯蔵・熟成、6 製品化

芋焼酎

収穫されたサツマイモ

芋焼酎とは、サツマイモを主原料とした焼酎の代表格。
サツマイモは、穀類に比べ、でんぷんの含有物が少なく水分が多い為、長期保存には適さず、酒類の原料としては本来不向きと言えます。そのため世界中で広く栽培されるサツマイモと言えども、酒類の原料となっているのは、焼酎だけです。新鮮な材料の確保、さらに徹底した選別作業が酒質の良否を決定づけます。芋焼酎がサツマイモの主産地である鹿児島県・宮崎県南部に集中するのはそのためです。その他の芋焼酎の産地としては八丈島などもあげられ、サツマイモの風味、やわらかい甘さが親しまれています。代表的なサツマイモの種類は「黄金千貫」(コガネセンガン)です。

麦焼酎

麦畑

麦焼酎の生産地は、長崎県壱岐島と大分県の二つに大きく分かれます。一口に麦焼酎と言っても壱岐の麦焼酎は原料に麦を、麹には米を使用して常圧蒸留を行ったもので、大分地方の麦焼酎は原料から麹まで一環して麦を使用し、減圧蒸留したものと違いがあります。大分の麦焼酎の方がマイルドな味わいでクセのない飲みやすさが人気を集めています。

米焼酎

米麹を手に取る蔵人

米焼酎とは、その名のとおり米を原料とした焼酎です。良質の米と、水に恵まれた人吉盆地で、江戸時代より盛んに酒造りが行われてきました。また酒造りが盛んになった理由として、藩が自家用に焼酎をつくることを制限しなかった事と、販売する場合の許可が容易にとれたからだと言われています。上品な香りと米の旨みを、最大限に活かした米焼酎。最近では、爽やかでフルーティーな香りと端麗な味わいをもつ、吟醸酒並みの米焼酎も登場し、人気を集めています。

黒糖焼酎

黒糖焼酎の原料となるサトウキビ

日本の焼酎は約500年前にシャム王国(タイの旧名)から沖縄に渡来したのが始まりとされ、沖縄で泡盛として親しまれたものが、その後奄美から九州を経て全国に広がっていったといわれています。
奄美の人々は、沖縄から伝えられた焼酎に、主要農産物であったサトウキビから作られた黒糖を使い、製法・技術にたくさんの改良や工夫を加え、黒糖焼酎を生み出しました。世界の蒸留酒の中でも、このように食品を原料としている例は非常に珍しいです。その実績が評価され、昭和28年に奄美群島がアメリカから返還された際に、黒糖を原料にした酒類製造は酒税法で奄美群島だけに認められることとなり、奄美の特産品として広く知られるようになりました。